七色ペンダント
「急にどうしたの?」
「ふふ。冗談ですよ」
文は笑顔で言うと、何かを振り払うように立ち「昼餉、行きましょう!」と言った。
私、今決めた。
ペンダントを土に埋める。それで未来を救えるなら本望だよ。怖いことなんかない。だって、私には皆がいるから。
「喜怒哀楽の激しい人だね全く」
そう言って沖田さんはおかしく笑った。
「笑わないでくださいよ沖田さーん」
「………ぷっ」
「んもーー!!」
この時間が長く続けばいいのにな……
「沖田さん」
「ん?」
「大好きです。これからも、ずっとずっと愛しています」
「………そういう不意打ち、ずるいよ」
「え?」
沖田さんの顔が近づいたかと思うと、ちゅっと甘い音をたてて、唇にあたたかい感触が触れた。
目の前には、熱の篭(こも)った彼の瞳がそこにあった。
「文、僕も愛してる。何十年、何百年何千年先も君をずっと想い続けるよ」
「嬉しい」
そう言って微笑んだ彼女の頬を、暖かい涙が伝った。