七色ペンダント
私は急いで部屋へ戻ると、沖田さんが巡察中な事を見計らって、皆への手紙を書き始めた。
皆との思い出を思い出しながら何度も涙した。
そして日が暮れ始めた頃、ようやく最後の一通が書き終わった。
私は外へ出ると、門の前で沖田さんの帰りを待った。
間もなくしてから、遠くの方で浅葱色の羽織をまとった新選組の隊達がこちらへ向かってくるのを見つけた。
沖田さんだ!!
隊の先頭を歩く彼は、私を見つけると走って来てくれた。
「文!!」
走りながら私の名前を呼ぶ彼が苦しいくらいに愛おしくて、彼に向かって飛びついた。
「沖田さん!おかえりなさい!!」
「ただいま。どうしたの?出迎えなんて珍しいね」
「ふふふ。仕事が早く終わったから」
仕事帰りの出迎えが最初で最後になるなんてな。
「お腹空いた〜!!もうそろそろ夕餉の時間かな」
「はい!!食べましょ!」
そんな私たちの会話を、隊士たちは微笑ましく見守っていた。