七色ペンダント
他の隊士達を颯爽と返すと、輪になって話を始めた。
「今日、お前らを集めたのはこいつについてだ」
「文がどうしたの?」
「ごめんなさい。私、まだ皆さんに話していない事があります」
みんなは真剣な眼差しを私に注いだ。
「私が未来を救うためにここへ来ましたが、その代償として、私の寿命は残り一年もありません。そして未来を救う手段はこの首飾りを土に埋めること。
ここまでは以前にお話した通りです。本題はここから。首飾りを土に埋めたら直ちにこの身は朽ちます」
「え、どういう事……??」
「死ぬんです。何かを得るためには必ず何かを失うんです。時空移動では寿命、未来を救うためなら命を」
「ちょっと…文、何言ってるの?」
「そうだよ。笑えねーぞ、なぁ新八」
「う、うん」
「冗談、でしょ?」
「冗談じゃありません」
「そんな………」
みんなは不安や失望といった表情をしていた。
「でも、私は怖くありません。皆が居てくれたから変われた。なんの感情も抱けなかった私が、心から笑い、泣いて、恋することまで出来たんです。
皆とお別れするのは悲しいけど、みんなと出逢えたのはこの首飾りのお陰。元はといいえば、未来を救いに来たんです。だから悲しむ権利なんてない。それに、本来はここにいないはずの私なんです。元通りになるだけ。
だから、私はこの首飾りを埋めます」