七色ペンダント
私は一番に広間を出ると、そのまま部屋へ戻った。
へたり込むように座ると、我慢していた感情が溢れた。
静かに泣く私の肩に、そっと手が置かれた。
「沖田っ……さん」
「文………」
沖田さんは表情を崩すと、苦しそうに言った。
「ごめん……僕、何も出来なくて…ごめん…っ」
「謝らないでください。沖田さんは悪くありません。自分で決めた事なんです。最期まで、見届けてください」
「っ……文は僕の、最初で最後に愛した人だよ」
強引に塞がれた唇は、一瞬にして熱を持たせた。
甘いその口づけは、空とともに深くなっていった。