七色ペンダント

隣で安らかな顔で眠る沖田さんの頬を撫でると、そっと布団を出た。そして、一通の手紙を置くと、肌寒い夜の町へ大きな一歩を踏み出した。



ペンダントを埋める場所はもう決めてある。



私が、沖田さんと出逢ったあの場所。桜は咲いてないけど、ここが私の原点だから。



土を少し掘ると、皆との思い出に浸った。



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「じゃあ、あなたは?」



「僕は新選組1番隊隊長沖田総司」


―――

「斎藤.......さん、」



「未来がどうなろうと、俺たちのやっている事が間違っていたとしても、俺たちは決めた事は必ず最後までやり通す。この身が朽ちるまで。それが誠の武士というものだ」


―――

「大島さぁん!!」



「うおっ?!お、沖田さん、どうしたんですか?」



「何もー!ただ大島さんと話したかっただけ〜」


―――

「文。お前は俺たちの仲間だからな。いつでも相談乗れよ」



「平助くん.....ありがとう」


―――

「しんおう?」



「誠の桜と書いて誠桜。誠の志を持った武士たちはまるで桜のように美しい」



「いい名前を付けたな」
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