七色ペンダント
「何百年……何千年も昔なのかもしれませんね」
「凄いなぁ………」
「樹齢1000年って凄いですよね………」
ペンダントを見つめたままの彼は、返事はおろか、身動きひとつしない。
「あの………大丈夫ですか?」
「わっ!!すみません!大丈夫です!!よくあるんですよ」
「なにがですか?」
「なんだろう。なんか、ここへ来るとフラッシュバックって言うんですかね。女の人が、泣いてるんです。でも顔が見えなくて………と言ってもそんな記憶、どこにもないんですけどね。でも、妄想にしては鮮明というか」
私と同じだ……
「ここへ来ればいつかきっと、その人が誰なのかわかると思ってるんですけどなかなか……」
そう言って彼は苦笑した。
「あの…っ」