七色ペンダント
「.....信じますよ」
「あぁ」
「私は今から1000年以上後の日本から来ました」
「1000年.......」
流石の彼も、1000年という数は予想していなかったのか、目を見開いて驚いていた。
「なぜ、私がこの時代の人じゃないって分かったんですか?」
「お前を見た時、どこか他の奴らと違く感じた。まぁ、勘のようなものだ」
「凄い、ですね」
「何故1000年も先の人間がこの時代にいる?」
「自然というものを知りたかったんです。誠の旗を掲げる侍、武士を見てみたかったんです、多分それで...」
「多分?」
「何故ここへ来たのか、全く覚えてないんです。見たい、会いたいという意思があったことは覚えているのですが」
「なるほど。自然を知りたかったとはどういう事だ?」
「えぇ.....私の住む世界に、自然なんて物はほとんどないんです。分厚い鉄の空。人工の、汚染された空気。反乱や犯罪を起こした人々を残虐するためだけに造られた人工知能機械が歩く、石ひとつ転がっていない地面。
朝も昼も夜も、夜のない町」