七色ペンダント

斎藤一サイド



最初、大島を見た時単純に美しいと思った。顔が整っていて、街を歩けば誰もが振り返るような美人。



だけどどこか異質で。



俺は昔から人を見る目だけは誰にも負けなかった。大島の事に関しても、どんな性格か、というよりもこの時代を生きる人間では無いと悟った。



仕事は完璧にこなすし、振る舞いも良い。文句無しの彼女ではあるが、いつもどこか遠くを見つめているような気がした。



特にあの日の夜。彼女が池に映った月を眺めている時は今にもどこかへ行ってしまいそうな顔をしていた。



その時の表情は一言では表せない、難しいものだった。



流石に1000年後の日本から来たなんて想像つかないが、嘘をついていないのだけはわかった。


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