七色ペンダント
大島文
そう言って土方さんは優しく微笑むと、部屋を出ていった。
「大島さん、大丈夫?」
「少し、話しづらいですけど.....大丈夫です」
「良かった.......」
沖田さんは、目に涙を浮かべながら安堵の表情を浮かべた。
「文ぃ〜〜俺すっげー心配したんだぞー!」
「平助、ごめんね」
「むー。もう無理すんなよ」
「ありがとう。じゃあ私、ちょっと行ってくる」
「おう!」
そんな会話を見ていた他のみんなも、嬉しそうに微笑んだ。
門へ出ると、あの時の太一君とその母親が立っていた。
私に気づくと、母親は深く頭を下げた。
「本当に申し訳ございません!!!!」
「もしわけございません!!」
続いて頭を下げた太一君が、慣れない言葉に苦戦しながらも頭を下げた。
「いいんですよ。町の治安を守るのが壬生浪士組の役目ですから。それに、お二人に怪我がない事が一番ですから」
「すみません……ありがとうございます……。まさか、あなたが壬生浪士組の方だったなんて」
「とは言っても小姓なんですけどね」
そう言っておどけてみせると、母親は少し表情を柔らかくした。