恋の3択
見慣れたはずの、朝のクラス風景で。
見覚えのない顔を、見つけた。
入り口から入ってきた時、
え?誰?と、思ったら…。
うつむきがちに、テクテク歩いてきて
ぽすん。と席にカバンを置いた。
え??うそ。
かいと?
あたしの隣の、杉橋快斗。
大人しくて…目立たない感じで…
そもそも、顔なんて見たことなかった。
だって…
前髪!!
サラサラの長い前髪で。
よく前見えますね?って感じだったのに。
おでこ全開の、短い前髪のせいで…
あ、あんた…
そんなイケメン隠してたのかい…。
前の席の男子が、気づいて話しかけてるのが
聞こえた。
かいと?髪切った?どしたの?
恥ずかしいらしく…ちょっと赤くなって
うつむいたまま…
寝てる間に、かーちゃんに…切られた…。
俺もう…ぐれてやろうかな…。と、
脱力している。
…かーちゃん、ナイスです!
あなたの息子は、あたしの…
どストライクで、ございますっ!!
ふと、顔を上げたタイミングで、
あたしと目が合った。
見るなよ、と言うように赤くなって
目をそらしそっぽをむく。
可愛い…。
キュンとした。
初めて、自分の好きなタイプを認識
してしまいました!
彼女に…なりたいな…。
あたしじゃダメかなぁ…。