恋の3択
ゆれる
牛丼屋さんから帰る時、春樹が
明日も朝早く来いよー!と、
去り際に叫んで行ったから…。
テストで朝練も無いのに…?と、
思いつつ、一応来てみた。
そっと教室に入ると、誰もいない…。
冗談だったのかな…。
…まあ、いいや。テスト勉強でもしてよ。
席について、勉強を始めると、
しばらくしてガラッと戸が開く音がした。
春樹だった。
あ、やっぱり来た。と、思うと
嬉しくなって、
春樹!おはよ!と、笑うと
一瞬目をそらし、かばんを机に置いて、
自転車直ったか?と、聞いた。
あ、うん。お父さん直してくれた。
今日は自転車だよ。
昨日は、牛丼美味しかったねえ!
あたし、牛丼屋さん入ったの初めてだったから
知らなかった。
え!!あんな美味いもの知らなかったの?
いやー人生損してたな。
と、いかにも可哀想になって顔をする。
そんなに?と、笑ってると、
また戸が開き。
かいとも来た…!
ますます嬉しくなって。
かいと、おはよ!
と、言ってから、
あ、まずい。かいとって言っちゃった…!
つい、いつもの癖で…。
え?と、驚くかいとに、
あ、いや、ほら?
春樹としゃべってて、うつっちゃって!
ごめん。つい…。と、焦って説明すると。
ニコッと笑って、
ああ。別にいいよ。
俺も宮越って言いにくいと思ってたんだよな。
じゃ、俺もさきってことで。
わ、わぁ。呼び捨て…。
されちゃった…。嬉しくて震える…。
あたしの顔を見ていた春樹が、
はいはい。で?今日はどこ行く?と
遮る。
なんだかんだと、もめた末、
甘いものは女子担当ってことで。
あたしのおススメのお店に行くことにした。
春樹が俺は牛丼でいいのに…。
と、ボヤいていたけど。ふふ