恋の3択

なにが…なんだか…。

春樹…なんて言った?

どういう意味…?

立ちつくしているあたしの目に、
かいとの姿が写った。


さき?どうした?
あれ、春樹は?


…用事思い出したって…
帰っちゃった…。


え??うそ。
ずいぶん、急だなぁ。

じゃあ…延期する?と、
あたしを見下ろす。


まだ、頭が…春樹の言葉を忘れなくって。

うまく返事が出来ないあたしに、
かいとが言った。


春樹が帰って…そんなにショック?


え?と、かいとの顔を見ると…
あたしの顔をじっと見つめる。

ショックって…顔してるじゃん。


そうじゃないよ?
そうじゃないんだけど…。

なに?

ただ…ビックリして…。

ビックリ?

…かいとに説明しようがない。

あたしは、かいとが好きで…。
それを知った春樹が…応援してくれていて。

応援…してくれてたんだよね?

なんで…あんな、つらそうに…。
限界って…。どうして…。


俺には…言えないことなんだね?


かいとの声に、ハッとして見上げると、
少し…悲しそうな顔であたしを見ている。

…ごめん。かいと…。

ん。いいよ。
とりあえず、今日は…帰ろうか。
自転車は?

学校…。

そっか。じゃあ、一緒に戻るか。

まだ明るい日の下を、2人で並んで歩いた。

かいとも、ずっと黙ったままだった。


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