恋の3択
え?
まあ…うまく言えないけど。
かいとにやるのが、嫌になったんだな。
そんな…人を物みたいに…。
うん。ほんとな。
ごめん…。
かいとに、ちゃんとどうしたいか言えって
言われて。
俺も、よく考えたんだ。
俺は、さきが好きだったけど…。
俺は…かいとに、取られそうになるまで
何もしようと…思わなかった。
さきは、俺が何も言わなきゃ…
かいとと付き合ってたろ?
…そうかも知れない…。
そういうことなんだなって。
え?
さきは、俺に同情してんだよ。
でもって…
俺は、きっと…。
自分のもんを取られたくなくて…
駄々こねてる子供と一緒ってとこだな。
そう言って、ニカッと笑った。
春樹…。
あたしたち…やっぱ似てるのかもね。
あ?
恋する経験値も足りなくてさ。
自分からいく勇気もないくせに、欲しがりで。
ふん。
…まあ。そうかもな。
俺も…もうちょっと大人になるわ。
おまえは…もう、いけるんだろ?
そう言って、春樹は似合わないウィンクを
した。
やだ!キモ!
あー?なんだとぉ?
…2人で、目を合わせて笑った後。
ありがと。春樹。
そう言うあたしに…。
ま、牛丼特盛でいいよ。と、笑った。