恋の3択
しばらく放心していると…
朝練終わりの女の子たちが、少しずつ教室に
増えだした。
みんな口々に、あれ、さきーどうした?と、
聞くけれど。
なんでもないよー。と、答えつつ。
ダメージおっきくて…机に座ったまま
どよんとしていた。
春樹のやつ…
言いふらしてるんじゃないのかな…。
あぁ…もうどんな顔して生きていけばいいの!
もう!もう!
なんで、こうなるのよ…。
教室の出入り口を、ふと見ると。
春樹だ!
野球部の子たちと一緒だ…。
あたしのこと、笑ってんのかな…。
ドキドキして、うつむいていたら。
隣の席に、かいとが座った気配がした。
まさか…春樹から、聞いてないよね…
恐ろしすぎて、小さくなって机にふせた。
具合わるい…とか?
どこからか声がした気がして、顔を上げると。
前には誰もいない…。
ちらっと横を見たら…
か、かいとがこっちを見てる!
もしや、あ、あたしに言ったの?
な、なんでもないよ!
ほんと!だいじょうぶ!
ごめん!全然、気にしないで!
なんか…熱でもありそうな顔してるけど。
ま…元気そうだな。と。
わらった…。
顔に火がついた気がした…。