+小悪魔恋愛2+
小悪魔恋愛2
そりゃあね……
イヤイヤ言いながら焦らされるのも、悪くはないけどさ。
素直に抱いてって言われた方が、男はどんだけラクか。
「結局陸は、私に魅力とか感じてないってことだよね」
「なんでそうなるんだって(汗」
後ろを向いたまま膨れる柚。
小さい背中にちょっとだけ寝癖の付いた髪は、今からでも全然構わないくらいオレにとっては魅力的。
「柚~…」
下心があるかないかは抜きにして、オレはそのままベッドの上で柚を抱きしめようと手を伸ばす。
すると色っぽく髪を掻き上げた柚は、スイ~っとオレの腕をすり抜けて。
「今日バイトあるからもう行く」
「え、そうなの?」
さっさとオレの部屋を出ようと身支度を始めた。
なんか膨れられたまま離れるっていうのも心苦しい感じがして、オレがなんとか柚の機嫌を直そうとオロオロしてると
「あ、そう言えばこの前のバイトの時さ、同じシフトで入ってた坂咲くんて子に生着替え見られて~。すごい恥ずかしかったんだよね。
でも今日もまた覗かれたらショックだなぁ。だって今日の下着って、まだ陸にも見せてない可愛い~デザインのやつなんだもん」
「柚?…(汗」
「やばい、遅刻しちゃ~うっ!」
柚からは相変わらずの小悪魔ぶりが健在する。
つまり昨日の夜に何もしなかった自分に、苦しみ後悔し続けろって仕打ちね。
柚の回りくどいやり方は、たまにならいいけど毎回だと結構面倒。
それでちょっとオレもムッとなって、素っ気なく返してやったのが失敗だっただろうか。
「はいはい、見られないように気を付けてね」
この時からオレと柚の関係は、非常に危ういものへと変わっていった。