+小悪魔恋愛2+
仕方なくオレは、恵美ちゃんを探そうと構内をウロウロした。
だいたい柚はいつも恵美ちゃんと一緒にいる。
もし柚が大学を休んでるならそこに柚はいないはずだし、恵美ちゃんにちょっと話を聞くこともできるだろう。
いたらいたで、大学には来てるってことが分かってとりあえずひと安心だし。
それに……
たしかに早くなんとかしておかないと、誰にも取られないという保証は無い。
柚の小悪魔な態度には、少なからず男なら誰でも心揺らされるからな。
…なんて考えてたら、いきなり正門の近くに柚の姿を発見。
何の引け目か、オレはなんとなくそこにあった木の陰に隠れる。
「それで〜、この子が友達の柚。仲良くしてやってね。柚、隼人だよ」
「はじめまして〜」
しかし…なんだこの光景は。
恵美ちゃんが男友達に柚を紹介している……
「柚ちゃんか。彼氏とかいるの?」
恵美ちゃんの友達らしきその男は、柚に一歩近づいて顔を覗き込んだ。
初対面でそんな質問をするなんて、半端なく馴れ馴れしい奴。
っていうか近寄り過ぎだろ!
「いるんだけど、今ちょっと気まずい感じなんだよね〜」
「恵美!そんな恥ずかしいこと言わないでよ!」
そうだそうだ、余計なことは言わなくていいよ恵美ちゃん。