+小悪魔恋愛2+

仕方なくオレは、恵美ちゃんを探そうと構内をウロウロした。

だいたい柚はいつも恵美ちゃんと一緒にいる。

もし柚が大学を休んでるならそこに柚はいないはずだし、恵美ちゃんにちょっと話を聞くこともできるだろう。

いたらいたで、大学には来てるってことが分かってとりあえずひと安心だし。



それに……

たしかに早くなんとかしておかないと、誰にも取られないという保証は無い。

柚の小悪魔な態度には、少なからず男なら誰でも心揺らされるからな。



…なんて考えてたら、いきなり正門の近くに柚の姿を発見。

何の引け目か、オレはなんとなくそこにあった木の陰に隠れる。



「それで〜、この子が友達の柚。仲良くしてやってね。柚、隼人だよ」

「はじめまして〜」



しかし…なんだこの光景は。

恵美ちゃんが男友達に柚を紹介している……



「柚ちゃんか。彼氏とかいるの?」



恵美ちゃんの友達らしきその男は、柚に一歩近づいて顔を覗き込んだ。

初対面でそんな質問をするなんて、半端なく馴れ馴れしい奴。


っていうか近寄り過ぎだろ!



「いるんだけど、今ちょっと気まずい感じなんだよね〜」

「恵美!そんな恥ずかしいこと言わないでよ!」



そうだそうだ、余計なことは言わなくていいよ恵美ちゃん。




< 4 / 20 >

この作品をシェア

pagetop