+小悪魔恋愛2+
柚が困った顔をしながら恵美ちゃんの腕を掴む。
これがまたなんとも男心をくすぐる可愛い仕草で。
多分わざとなんかじゃないんだろうけど……
「…他の男の前でそういうの見せるよ」
なんだか胸が痛くなった。
オレ、柚としばらく一緒にいていろいろ分かったんだ。
柚はオレに対して、わざとそういう態度で気を引こうとする時もあるけど、その半分以上は柚がもともと持ってる本来の仕草。
計算なんかじゃない、柚だけの本当の可愛らしさなんだって。
だからそれに惹かれちゃう男なんて、永久に現れ続けるに決まってるんだよ。
そんな柚を、オレはやっと手に入れられたっていうのに。
「えっ、ケンカ中とか?かわいそ〜。でも大丈夫!オレ今フリーだしいくらでも慰められるから」
「ははっ…」
「そこまで頑張らなくていいけど。まぁ今日の飲み会は盛り上げてよね隼人」
飲み会?
それは初耳、聞いてないよ?
っていっても三日も連絡取ってないんだからそれも不思議じゃないか。
でもめちゃくちゃ気になる。
「私バイトの後だから少し遅くなるけど」
「全然いいよ。オレ柚ちゃん来てくれるってだけでテンション上がって待ってるから」
「隼人バカじゃ〜ん」
ふん、ほんとにバカな奴。
オレの心臓は変にドキドキしていた。