35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
「厳しいとは思ったけど、まさか」

「甘いわねー、ホントに。
林さんは清美社長とタカトがいきなり連れてきた実績もない若い女が気に入らなかったのよ。しかも、業界の有名人の清美社長のお気に入りっぽいし、LARGOの二人もちやほやしているって感じで。
おまけに自分の用意した衣装は入らないし」

「・・・。」
考えてみればその通り。
そりゃあね、あの場にいた誰もが私のことを気に入らなかったと思いますよ。
一気に食欲が失せて言葉を失った。

「お姉ちゃん、果菜ちゃん真っ青になってるから!言いすぎだよっ」
朋花さんが慌てて私の背中をさするように触れる。
「果菜ちゃん、お姉ちゃんオーバーなだけだから。気にしちゃダメ」

「ううん。それが当たり前だと思う・・・」
さすがに林さんが親切心だけでやってくれたんじゃないとわかっていたけど、敵意だけだったとは思いたくない。
「でも、林さんのアドバイスが役に立ったのは間違いないので」
べそをかきそうになりながら真紀さんに答えた。
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