35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
そうなんだ。
「疑っていたわけじゃなかったんですけど、ちょっと不安にはなっていたので安心しました。良かったです」
今度は安心して心から笑うことができる。

「そう。よかった。私は果菜ちゃんのこと気に入ってるんだから不安にさせていたなら悪かったわ。私には隼人さんっていう素敵な夫がいるんだから心配ご無用。さあ今度こそ乾杯しましょうよ。あ、やっぱり乾杯はシャンパンにしましょう」

真紀さんは店員さんをコールしててきぱきとおすすめのシャンパンを注文している。

「果菜さん!私、聞いてない」
店員さんが退出するなり、私のブラウスの袖をツンツンと引っ張ってそれまで黙っていた朋花さんが小さく口を開いた。

「ごめんね、事務所の許可が下りたらすぐに報告するつもりだったの」
ここはもう謝るしかない。

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