35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
「そんなことないと思うけど」
そう言ってはみたけれど、本当にそうかもしれない。

西さんの計画では朋花さんに西さんのマネージャーさんを、私に青山君を付けて会場から車で出すことになっていた。
でも、知ってる人なら知っているというLARGOの事務所の人間を付けるとかえって目を引くことになると貴くんが反対したのだった。
いくら何でもそこまで警戒しなくても・・・一般人だよって思ったのは私だけじゃないはず。

結局、それっぽいワゴン車の運転席にレッドカーペットの一件で私たちと一緒の姿を見られた真島さんを、助手席にLARGOのスタッフとしていつも動いている青山君を座らせて先行させその後、清掃会社のワゴン車に乗せてもらい私たちが出るという二重の仕掛けをする大掛かりな脱出作戦になってしまった。

「愛されてるね、月の姫。タカトがこんなに心配症だとは思わなかったよ」
「まさかこんなことになるとはね。話がどんどん大きくなって、くらくらする。ホントに行動には気をつけなくちゃ。昨日の夕方に時間を巻き戻したいよ。こんなにいろんな人たちを巻き込んでお金を使って」

私たちの軽率な行動が招いた結果だとはいえ、過保護な夫と過保護な義兄によってどんどん話が大ききなってはいないだろうか?
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