35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
「果菜の呼びたいように呼べばいい。ただ『進藤さん』はやめろ」
むうぅ~っとうなり声をあげる果菜。
「大体なんで名字にこだわるんだ」
「進藤さんだってどうして呼び方にこだわるんですか!」
珍しく俺に食って掛かる果菜におやっと思う。
果菜は頑固だけど、何が何でも譲らないっていう頑なな女じゃない。
俺が知る限り、彼女が譲らなかったのはひと前で歌う事と俺と一緒に歌った動画の公開だけ。
果菜の顔をよく見ると、下唇を少し噛むようにして何かを耐えているような表情で。それは怒ったりしている時の顔じゃない。
「果菜」
手招きをすると、黙ってこちらに近付いてくるからぐいっと引き寄せて胸の中に閉じ込めた。
ん、っと小さな声をあげたけど、おとなしく俺の胸にもたれる。
なんて可愛い俺の彼女。
「誰かに何か言われたんだろ」
びくっと果菜の肩が揺れた。
ああ、当たりか。
「誰が、何だって?」
ゆっくりと果菜の頭を撫でながら静かに問いかける。
「・・・あのね、業界の中で年下なのに『タカト』って呼び捨てで呼んでる女性は進藤さんとその、そういう関係になったことのある人なんだって・・・」
消えそうな小さな声で俺のシャツをギュッとつかんで彼女は言った。
は?
むうぅ~っとうなり声をあげる果菜。
「大体なんで名字にこだわるんだ」
「進藤さんだってどうして呼び方にこだわるんですか!」
珍しく俺に食って掛かる果菜におやっと思う。
果菜は頑固だけど、何が何でも譲らないっていう頑なな女じゃない。
俺が知る限り、彼女が譲らなかったのはひと前で歌う事と俺と一緒に歌った動画の公開だけ。
果菜の顔をよく見ると、下唇を少し噛むようにして何かを耐えているような表情で。それは怒ったりしている時の顔じゃない。
「果菜」
手招きをすると、黙ってこちらに近付いてくるからぐいっと引き寄せて胸の中に閉じ込めた。
ん、っと小さな声をあげたけど、おとなしく俺の胸にもたれる。
なんて可愛い俺の彼女。
「誰かに何か言われたんだろ」
びくっと果菜の肩が揺れた。
ああ、当たりか。
「誰が、何だって?」
ゆっくりと果菜の頭を撫でながら静かに問いかける。
「・・・あのね、業界の中で年下なのに『タカト』って呼び捨てで呼んでる女性は進藤さんとその、そういう関係になったことのある人なんだって・・・」
消えそうな小さな声で俺のシャツをギュッとつかんで彼女は言った。
は?