35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
しばらくそうしていると、不意にしゃくりあげる私の顔を両手で挟み、自分の顔の正面に持ち上げる。

「やだ、泣いて不細工な顔見ないで」
ひくひくしながら声を出すと、貴くんの顔が近付いてきた。
キスされると思った瞬間、私の頬にあった手が離されてーーーデコピンがとんできた。

「いったーい!!!」

ははははと笑い出す貴くんと痛みで涙が止まる私。鼻水は止まらないけど。

「はい、お仕置き終了」
それからまた私を抱き寄せてぎゅっとしてくれる。

「ホントに果菜といると退屈しない」
私を胸に抱いて小さく息を吐いた。
「・・・心配かけてごめんね」

「---いいよ。退屈な人生よりも果菜とスリリングな人生を歩んでいく方を選んだんだ。この先もずっと俺のことハラハラさせればいい」

なんか、全然褒められてないんですけど。
私といること自体がスリリングなのか??

「俺に刺激を与えられるのが果菜だけってことだ。大丈夫、スリリングなだけじゃない、安心も安定感ももらってるから」

ーーようやく温かい唇が落ちてきた。




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