35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
「そのうち本当に男を拾ってきたりしてーー」
「縁起でもないこと言うなって。アイツのことだから困ってる人を見捨てられるはずがないし」
「今まで拾ってなかった方が奇跡なのかもな」

ヒロトは面白がっているが、本当にありそうで俺は笑えない。
「ネコの写真があるならそれも付けて琴美に送るから、こっちに送れよ」
ああと頷いてスマホを操作すると、また果菜からメッセージが入った。

『仔猫の貰い手が付いたよ。坂井さんの紹介で行った動物病院の獣医さんが”知り合いで仔猫の保護ネコを欲しがってる方がいる”って話になって。早速会ったらいい方だったんでお譲りすることに決めたから』
写真もついているのだが。
ーー若い男じゃないか。獣医も、ネコの貰い手も!
仔猫を抱いた果菜の右に白衣姿の男、左にガタイのいいTシャツ姿の男。獣医は俺くらい、Tシャツの男は果菜と同じくらいの年齢に見える。しかも、顔面偏差値は二人ともなかなかのもの。

早々に貰い手が付いてよかったとは思うんだが。
『お前の連絡先とか教えてないだろうな?』
『連絡先は坂井さんから自分宛てにするようにって言われてるから、坂井さんの携帯番号を教えたから大丈夫。名前しか教えてないよ』

はあぁーっとおおきなため息が出てしまう。
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