35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
「うわー、ウェディング関係のものがいっぱいだぁ」

美和の部屋にはウェディング雑誌やら引き出物のカタログ、出席者リストやウェディングドレスを試着した時の写真、プランナーとの打ち合わせ資料、新婚旅行で行く旅先のガイドブックなどで溢れていた。

「ごめんね、散らかってて。一度しまうと次に手をつける時にまた出すのが面倒で」

「そうそう、美和はそういう子だったよ。本来、最初から最後まで一気にやりきらないと気がすまなくて。中途半端で中断すると再開したときにまたイチから考え始めちゃって先に進まなくなるんだよね」

だったら、どこまでやったかわかるように出しっぱなしにしておいた方がいいという何とも厄介な子だった。

クスッと笑うと、
「英介くんはこんな私でもいいって言ってくれるんだ」
美和は恥ずかしそうに笑った。

「だらしない私を見せられるのは家族以外じゃ果菜と英介くんだけ」

いろいろな騒動でバタバタしていたこともあって私は美和の婚約者の英介さんとまだ顔を合わせていない。
写真を見せてもらうと、今までの美和の彼氏っとは全くタイプの違う男性が美和の肩を抱いて優しい笑みを浮かべていた。
肩を抱かれた親友のふわりとした笑顔を見ていたらじわっと涙がこみ上げてくる。

「美和、幸せになってね」

「うん、ありがと」

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