35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
***
少し眠ってしまっていた。
目覚めると自分の鼻先に彼ののどぼとけがあり、向かい合わせで抱き締められている。
もぞもぞと身動きしたことで私が起きたことに気が付いたらしい。
まだ夜は明けていない。
「目が覚めた?」
「うん。貴くんは起きてたの?」
「ああ。ずっと見てた」
「嘘でしょ?」
「嘘」
「もうっ」
「ずっと見てたのは嘘。果菜を抱いて微睡んでた」
額に優しいキスが落ちてきた。
「お前を見てると今まで感じたことのない感情が動いて新しい自分を発見するんだ。そして、お前を抱いていると何とも言えない幸せに包まれる」
半身を起こし、私の髪、背中を優しくさする。彼の大きな手のひらはマメやタコで皮膚が厚くかたい。それもくすぐったくもあり、気持ちいい。
「さみしいか?」
不意に落とされた声に反応が遅れた。
そりゃもちろん。
「さみしくないはずないよ。でも、こうして気持ちを合わせられる時間があるからまだ大丈夫」
そっと作り笑いを浮かべる。
「俺はさみしいよ。やっと堂々と果菜を自分のものにできるっていうのになかなか二人で過ごすことができないんだからな」
少し眠ってしまっていた。
目覚めると自分の鼻先に彼ののどぼとけがあり、向かい合わせで抱き締められている。
もぞもぞと身動きしたことで私が起きたことに気が付いたらしい。
まだ夜は明けていない。
「目が覚めた?」
「うん。貴くんは起きてたの?」
「ああ。ずっと見てた」
「嘘でしょ?」
「嘘」
「もうっ」
「ずっと見てたのは嘘。果菜を抱いて微睡んでた」
額に優しいキスが落ちてきた。
「お前を見てると今まで感じたことのない感情が動いて新しい自分を発見するんだ。そして、お前を抱いていると何とも言えない幸せに包まれる」
半身を起こし、私の髪、背中を優しくさする。彼の大きな手のひらはマメやタコで皮膚が厚くかたい。それもくすぐったくもあり、気持ちいい。
「さみしいか?」
不意に落とされた声に反応が遅れた。
そりゃもちろん。
「さみしくないはずないよ。でも、こうして気持ちを合わせられる時間があるからまだ大丈夫」
そっと作り笑いを浮かべる。
「俺はさみしいよ。やっと堂々と果菜を自分のものにできるっていうのになかなか二人で過ごすことができないんだからな」