35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
「ううん。慰めるんでも宥めるんでも諫めるでもなくて。果菜ちゃん、アフロディーテの代わりやって」

は?

「ア、アフロディーテ?」
「そ、この女性モデルの代わり。果菜ちゃんならタカトもいい顔するでしょうし、果菜ちゃんだってタカトが他の女に触れたりしないから安心でしょ」

ちょっと待って。なんか話がうまく理解できない。

「清美さん、私に何を求めているんですか?まさか、モデルをやれと?進藤さんと一緒に写真に?」

「そう、それそれ。大丈夫。アフロディーテはバックショットで顔は全く写らないから。ね、このまま撮影できないと困るのよ」

「いやいやいや、清美さんトコの美しい人たちを連れてくればなんてことなく撮影できるじゃないですか」

「それじゃあタカトの機嫌が直らないし、いい表情も出ないもの」

ふいっと視線を貴くんに向ける清美さん。
そこにはこちらをちらりとも見ない貴くん。眉間の皺はかなり深い。

でも・・・
「大丈夫です。LARGOのタカトはプロだから、そんな事気にしません。清美さんとこの美しい人を撮影にお呼びください」
と胸を張って言い切った。

「おい、果菜。俺はモデルのプロじゃねえぞ」
それまでガン無視だった貴くんの低い声が飛んできた。

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