35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~

はああああ。
終わった。やっと終わった。

「よくやったな、果菜」
ちゅっと頬にキスが落ちてきた。
「こ。ここスタジオっ。みんな見てるのにっ」

焦る私に貴くんは笑う。
「いいんだよ。俺がお前を溺愛してるって週刊誌でも載ってたろ。今更だ」

静かだったスタジオがざわめく。

ふと、ユウキさんと目が合った。
ユウキさんはにこりとすると、私から視線を外してスタジオ内のスタッフの方を向いた。
「あ、彼女はこちらが無理やり頼んだ素人さんだから。プロじゃないし、今更だけどそこんとこ配慮してね。それとー」

スタッフの注目が一気にこちらに集まる。
嫌な予感が。

「彼女、タカトの大事な『月の姫』だから。彼女に意地悪しようだなんて思わない方がいい。タカトに抹殺されるからね」

周りが更にざわめく。
ああー、言っちゃったよ。私はジトっとした視線をユウキさんに送った。
本当に今更そんな情報公開いらないから。



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