35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
私が着替えている短時間にユウキさんと広告代理店の人たちは構図を決めていたらしく、てきぱきと立ち位置やポーズを説明してくれる。
仕事が早い人たちだ。イコール仕事のできる人たちなんだろうってことはよくわかる。

手際よく撮影が進んでいく。

私はもちろんバックショットのみ。ユウキさんは最低限しか私の身体に触れることはない。

「果菜さん、ちょっと硬いからリラックスしてください」
須川さんの指示が飛ぶ。

いえ、これはリラックスできません。無理でしょ。
うちの貴くんが王様とすると、ユウキさんはきらきらの王子様。

私の正面から貴くんが右腕で私の腰を抱き、背後からユウキさんが私のみぞおち辺りに手を回す。二人の男性から前後で抱かれるという構図は私にとってハードルの高い実にセクシーなもの。
私はうつむき加減で顔を背けカメラに映らないようにするんだけど身体が固くなる。
顔はひきつっても映らないからいいんだけど。


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