35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
私の前後にいる二人を見てホッとすると同時に思わず笑ってしまった。
「果菜、何にやけてるんだよ」
「いえ、にやけてるわけじゃないけど。終わってみたら、今私ってなんて幸せな状況にいるのかなと思って」
「何言ってんだ。さっきまで泣きそうになってたくせに」
王様のご機嫌はすこぶる悪い。
「そうなんですけど、LARGOのタカトとユウキさんに挟まれて写真に納まるなんて普通の女子はこんな経験できないでしょ?王様と王子様。イケメン二人ですよ~なんて幸せな」
王様の眉間にしわが寄った。あ、マズい。
なんかスイッチ入った。ユウキさんを王子さまって言ったことか?イケメンって言ったことか?
やばい、デコピンが来る。
とっさに両手でおでこを隠して目を閉じて痛みを覚悟する。
・・・あれ、こない。
それどころか背中に温かいぬくもり。
「タカト、大事な女の子にデコピンしない」
耳元でユウキさんの声がした。
背後にいたユウキさんがサッと私の身体を引いてくれて貴くんのデコピンを免れたのだと気が付いた。