未来を見るなら、君と一緒に
「何も言えないってことは本当なのねー」



先週まで仲良くしてくれていた先輩は今日敵になった。



「潤……」



後ろから気まずそうな声が聞こえる。

振り向かなくても誰の声かはわかる。



「……賢晴」



振り向きたくなんて、なかった。
賢晴の顔を見たら涙がこぼれてしまいそうで。

でも、振り向いてしまった。



「潤……だいじょ……「賢晴くーん!」



賢晴があたしに手を伸ばそうとしたその瞬間、場の雰囲気にそぐわない声が飛んできた。



「唯……」



あたしに伸ばそうとした手を引っ込めて、早川さんに向き直る。



「ミーティングはじめるよー」



課長の一声で、廊下にいた人たちも含めみんな、テーブルに集まる。



「えーっと、秋川さん」



課長があたしに目を向ける。



「はい?」


「担当してもらってた清川さん、島地くんに担当変わることになったから」


「え?」



清川さんは、この病院に入院してきてからずっとあたしが担当していた患者さんだった。

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