未来を見るなら、君と一緒に
「真凛、帰ろう」



もう、逃げれる場所はない。
それなら、俺が真凛と一緒にいるしか方法なかった。

だから、俺の後ろにいる潤を守りつつ、真凛の肩に手を置く。



「陽ちゃん……あたしを見てくれた」



初めて付き合うことをOKした時のような笑顔で俺の手に触れる。



「ごめん、潤……こいつ、こうなったら止まらないから連れて帰るな」



潤と一緒にいたい。
その気持ちの方が上だった。

でも、これで潤と一緒にいられる未来が奪われるなら。
いまこの一瞬は、真凛にしたがうべきだと判断した。



「陽ちゃん、久しぶりだね」



俺に手を引かれて歩いてる真凛は、ニコニコしていた。



「そうだな。真凛たちは卒業したからな」


「陽ちゃんと一緒に卒業したかったなぁ」


「誰の……」



誰のせいだと思ってるんだ。
そんな言葉が出そうになって止めた。



「陽ちゃん?」



そんな俺を不思議そうに見てる真凛。

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