未来を見るなら、君と一緒に
「真凛、いい加減目を覚ませよ」



あの時、もう少しきちんと言っておくべきだった。
俺は真凛に気持ちが向くことはないと分からせておくべきだった。



「目を覚ますってなに?」


「真凛の俺のこと好きでいてくれる気持ちは嬉しいよ。てわも、俺は真凛と付き合えないって何度も言ってるよな?」


「陽ちゃん、顔が怖いよ」



顔だって怖くもなるだろ。
これでも、俺は我慢してるほうなんだ。



「頼むから。頼むから俺を自由にさせてくれよ」



いい加減、真凛の呪縛から解放されたい。
俺が中途半端は気持ちで真凛と付き合ってしまった罰だったらもう十分受けたはずだ。



「別に自由にしちゃダメだなんて言ってないよ?」


「いや、でも……」



俺が自由にほかのこと付き合ったとして、それを真凛は認めないくせに。



「自由にしてもいいんだよ。陽ちゃん」


「真凛……」



ニッコリと目の前の真凛は笑ってるけど。
騙されるわけがない。

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