未来を見るなら、君と一緒に
だから、警察には言わずにここまできた。
でも、これ以上なにかするなら黙ってなんていられない。



「な、何するつもり……」


「光のときはあいつが嫌がったから出来なかったけど、警察って手もあるんだよ。こんなことのために真凛は未来がなくなってもいいの?」


「……っ」



さすがに人生を棒に振るのは耐えられないのだろう。
真凛が悔しそうな顔になる。



「もう、こんなことはやめなよ」



こんなことしたって誰のためにもならない。
虚しさが残るだけだ。



「陽ちゃんがあたしを見てくれればいいだけの話じゃない!!!」



いままでで1番大きなこえが響き渡る。



「真凛、だからそれは……「陽ちゃんが悪いんだよ?最初はあたしだって好きなだけで幸せだった。でも、陽ちゃん1度はうけいれてくれたじゃない!」



俺の言葉を遮って、なおも興奮気味に話す。



「それは悪いと思ってるよ。でも、ごめん。俺はもう自分のきもちに嘘はつけない」

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