未来を見るなら、君と一緒に
潤と昨日一緒に帰れなかったことを後悔した。

あの時だってそうだ。
俺が文化祭の準備で光と一緒に帰れなかったから。
だから、光はあんな目に。

潤に迎えにいくから、待っててって言えばよかった。


「今更後悔しても遅いか」



いつだって、遅い。
手遅れなんだ。

でも、潤のことは助けたい。



「瑠奈さん、潤がいないんです!」



俺はとりあえず瑠奈さんに電話をかけた。



『いないってどういうこと?』


「夜に助けてってLINEが来てて!でも俺寝てて……。いま潤の家の前にいるけどいないみたいなんです」


『陽くん、昨日は一緒にいなかったの?』



最初は、寝起きのような声だった瑠奈さんの声色が一瞬にして変わる。



「昨日は、途中までは一緒にいたんすけど……結局、潤を一人で帰すことになってしまって」


『どうして一人で!?まさか……』


「瑠奈さん教えてください!潤はなにから逃げてるんですか!?」



わからなかった。
潤にボディーガードが必要な理由。

潤が話したくないならと、無理に聞こうとはしなかった。

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