未来を見るなら、君と一緒に
「仕事に行くなら出てくるよな」



時刻は8時。
前に賢晴さんが住んでいたアパートの前についた。

ここに賢晴さんがいるなんて保証ない。
でも、ここしか手がかりはないから。



「もしも出てこなかったら……」



どうにかして、引っ越し先を探し出さないと。



「もしも出てきたら……」



出てきたときのことを想像するだけで、喉がゴクリと鳴る。

出てきた時は、とりあえず賢晴さんにはそのまま仕事にいってもらう。
どうにかして、賢晴さんの家の鍵をゲットしないとならない。

出てきたとしても、出てこなかったとしても。
やるべきことはある。
どちらに転ぶかはわからないけど、とりあえずここで待つしかない。

俺は瑠奈さんから、潤のボディーガードを託されたんだ。
ボディーガードのくせに潤を守れないなんて、あってはならない。

好きな女1人守れなくてどうするんだよ。

大切な人を2度も守れなかった。
俺は大切な人なんか作るべきではないのかもしれないけど。

だから、本当は俺といるべきではないのかもしれない。

でも、とりあえず、いまはなにも考えない。
潤を助け出すだけだ。

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