未来を見るなら、君と一緒に
「陽！」



ヤスが走ってくる。
後ろにはあまり機嫌のよさそうじゃない、美玲の姿。



「ヤス……それに美玲もありがとう」


「まったく、来るつもりなんてなかったけど、ヤスがうるさいから」


「ありがとう。ヤスも頼んでくれて。美玲も来てくれて」



俺は2人に頭を下げる。



「おいおい、やめろって。それで賢晴さんがどうしたんだよ」


「お兄ちゃんもうここに住んでないよ？」


「ここから出てきたんだよ。前に住んでいた家から」


「え……？」



俺の言葉に美玲が目を丸くする。



「ここに、潤がいるはずだ」


「潤ちゃんが……？そんなの付き合ってるんだもん普通のことじゃないの？」



美玲は2人が別れたことを知らないようだった。
もう随分経つのに。



「別れたよ、ふたりは。結構前に」


「うそ！お兄ちゃん近々結婚するって！」



美玲が俺の両腕を掴む。



「嘘じゃない。賢晴さんは潤のことをストーカーしてた」


「うそ……」



自分の兄がそんなことをしていたという事実にショックを隠せない美玲。

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