未来を見るなら、君と一緒に
chapter.3

✱いつか、付き合いたいときは

「ごめん、潤……一緒にいられない」



その言葉はあたしの心に突き刺さった。



「ボディーガードはヤスに譲るから」



あたしがなにも言えないでいると、さらに陽くんはそう続けた。


陽くんは、どうしてこんなことを突然言うのだろう。



「潤、これを見て。俺だと思って」



ただ、陽くんを見つめることしかできない。
そんなあたしに、自分の腕から時計を外してあたしの腕につけた。

カチッと留まる音がする。
男物のその腕時計は、陽くんが手を離したらすぐに落ちてしまいそうになるから、もう片方の手で押さえる。



「俺だと思う必要なんてないのかもしれないけど。俺が潤に俺のこと忘れて欲しくない……なんて大げさかな」



陽くんは、あたしから離れると言ったのに、どうしてこんなことを言うのだろう。
どうして、あたしの心に陽くんを大きく残していくのだろう。


陽くんに助け出されたあたしは、瑠奈さんの計らいでその日は仕事を休ませてもらって、次の日から仕事に復帰させてもらった。

でも、あたしの隣には陽くんはもういなかった。

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