未来を見るなら、君と一緒に
「潤さん、俺じゃ物足りないですよね？」



陽くんの代わりに毎日あたしを送り届けてくれる、ヤスくん。



「そんなことないよ！逆方向なのにいつもごめんね……」


「陽に任されたので！気にしないでくださいよ」


「ありがとう」



あたしはこうして、みんなに守られてる。
賢晴の家に連れ去らてから、周りのあたしへの心配がより一層大きくなった気がしてる。

陽くんがどうしてバイトを辞めてまであたしから離れたのかはわからない。

あの様子のおかしかった女の子と一緒にいることにしたのかもしれない。
あの子、相当様子がおかしかったし、優しい陽くんのことだ。
放っておけなくなったのかもしれない。



〝俺が潤を守ってあげるよ〟
あの言葉は嘘だったとは思ってない。

でも、あたしへの想いを伝えてくれた陽くんはもういない。
あたしは陽くんへの気持ちが募っていってるというのに。



「陽、誰かのとこにいったとかそういうのではないですよ」


「え？」


「陽は妹のとこにいます」


「妹？」



ヤスくんの言葉に元気な陽くんの妹ちゃんを思い出す。

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