未来を見るなら、君と一緒に
「陽は、その子のことが好きなの?」


「好きだよ……すげぇ、好き」



言葉にするだけで、身体中にぶわぁっと想いが広がる。



「じゃあなんで?」


「え?」


「なんで陽はそばにいないの?」


「そんなの……」



いれるわけないだろ。
俺がそばにいたら、絶対にまた傷つける。
俺がそばにいないほうが潤は幸せになれる。



「そんな辛い顔をするなら、そばにいけばいいじゃない」



俺の両頬をパンっと叩く。



「わかんねぇよ、光には」


「わかんないよ?でも、自分がやりたいようにやればいいじゃん!」


「やりたいようになんて……」



できることならやりたい。
潤のそばにいたい。

俺が、潤を幸せにしたい。



「なにが陽をそんなに勇気なくしてるわけ?」


「お前だって傷ついたじゃねぇか!俺のせいで!」



俺が、ちゃんとしてれば。
あの事件は起こってなかった。

そしたら、この前だって潤は賢晴さんに連れていかれなかった。



「陽のせいだなんて、あたし言った?」



すこしキッと目を細めて、俺の顔を見る。

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