未来を見るなら、君と一緒に
あたしは、ここで何をしているのだろう。
あたしは、こんなふうに書類整理をするために学校に行っていたのだろうか。

理学療法士になることは、子供の頃からの夢だった。
小さい頃、おばあちゃんが入院している病院に行ったとき、リハビリの担当をしていた人がすごく好きで。
あたしも大きくなったらこんなふうになりたいって自然に思えた。

束になっている診療記録に穴を開けて、ファイリングをしている手を止めて、辺りを見渡す。

時刻は10時15分。
いつもなら、清川さんとリハビリを頑張っている頃だ。

どうして、こうなってしまったのか。
何が間違っていたのか。

気を緩めたら涙が出そうだったけど、踏ん張った。
こんなことで泣きたくなかった。
負けたくなかった。

いつか絶対に担当を取り戻したい、そう思っていた。

でも、そんなことはなかった。
来る日も来る日もあたしに与えられる仕事は書類整理だったり、パソコンへの入力だったり。
いわゆる雑用だった。

< 13 / 176 >

この作品をシェア

pagetop