未来を見るなら、君と一緒に
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「潤」



大学のゼミ会。
友達に言われて、少し早めについた会場よレストラン足を踏み入れたとき、声をかけられた。



「賢晴……」



声で、予測はついていたけど、振り向いた先に見えた姿に一瞬たじろいてしまう。



「そんな身構えないでよ。もう何もしないから」


「あ、うん……」


「潤にお願いがあるんだ」


「お願い?」


「俺と付き合ってる振りをしてほしい。頼む」



賢晴があたしに向かって頭を下げてくる。



「え?」


「俺のプライド。あいつらにはまだ付き合ってることにしておきたいんだ」


「……賢晴」



プライドの高い賢晴だ。
賢晴がこういうこと知られたくないのはよくわかってる。



「頼む。潤」


「……わかった」


「ありがとう」



1度は好きになった人だ。
それもすごくすきになった人。

そんな人の頼みをあたしは断ることなんかできなかった。

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