未来を見るなら、君と一緒に
「ふたりは相変わず一緒にいるんだねー」



行き交う人々にそんなふうに言われながら、苦笑いをし続ける。
そろそろ、頬が痛くなりそうだ。

結局、賢晴に捕まえられたまま自分たちのテーブルに連れていかれ、陽くんに弁解もできてない。

このままじゃ、賢晴とヨリを戻したと思われてしまう。
そんなこと思われたくなんてないのに。

でも、一緒にいると当時の気持ちを思い出すのはなぜだろう。
あんなに賢晴のこと、怖かったのに。
隣にいる賢晴を怖く感じないなんて、単純すぎるだろうか。

今、あたしの隣にいる賢晴は毎晩あたしのことを待っていた恐ろしい賢晴じゃない。

あのころ、あたしと付き合っていた賢晴だ。

だからって、決して想いが戻ることはないのだけれど。



「ここで、サプライズプレゼントでーーーす」



司会をしている、同じ学年だったの朔夜(さくや)の声にみんな一斉にそちらに目をやる。



「サプライズってなんだろう」


「な」



あたしの言葉に賢晴も同調する。

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