未来を見るなら、君と一緒に
「わざわざバイト先も一緒にしたんだろ?それストーカーじゃん」


「……は?」




こいつが何の話をしてるのか全然わからなかった。
身に覚えのない話が繰り広げられていく。

たしかにバイト先は一緒だったけど、あれは俺の方が先にいたし。
そもそも偶然だし。



「おい、これ仕組まれてんじゃねーの?」



ぼーっとしてる俺の頭をヤスがポンッと叩く。



「仕組まれて……?」


「おかしいだろ。俺らだけが知らねーの。あの賢晴さんだぞ?なにか裏があるに決まってるだろ」


「……っ、まさか結婚式したからもうみんなの手前離れられらいように……」



そんなことするか?
だって、結婚なんて一生を左右するものだ。
そこを相手の意思も関係なく進めるなんて。



「相手はあの賢晴さんだぞ。普通なんてありえないぞ」


「あぁ……」



毎晩、潤の元に現れて、ついには連れ去ってしまうような男だ。



「どこにいんの、潤さん」


「え?いまは用意してもらってる控え室で着替えてると思うよ」


「それどこだよ」


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