未来を見るなら、君と一緒に
「陽くんはストーカーなんかじゃない!」



潤がウエディングドレスを放り投げて、俺に駆け寄ってくる。



「潤って、そんな大きな声出るんだ。びっくりした」


「大切な人を守るためなら、声を上げていかないと」



潤の瞳は揺れてなかった。
まっすぐに瑠美さんを見つめていた。



「潤、変わった?」


「変わりたかったの。ずっと本当は。自分の気持ちを言えないことにも気づいてなかった。ずっと賢晴の言うことに従ってた。それじゃあダメだって気づかせてくれたのは陽くん」



潤の視線が瑠美さんから俺へとうつる。



「潤……」


俺が潤を変えるための少しでも原動力なったいたのなら。
それだけで十分幸せだ。



「お願いです、もうこれ以上潤のこと苦しめないでもらえませんか?」



賢晴さんに向かって頭を下げる。



「お前は潤のなんなんだよ」



はぁっとため息をつく。



「ただ俺が潤のこと好きなだけです」


「ふーん。聞いた?ただ、潤のこと好きなだけだって。それだけでこんなとこまで来ちゃってストーカーだよな」



フッと笑って、辺りを見渡す。

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