未来を見るなら、君と一緒に
「え?だって……賢晴くんはもうすぐ結婚するって」


「うん、この人毎晩あたしの家の前にいたからね」


「え……それって、賢晴くんがストーカー……」



瑠美さんがハッとした顔になって俺を見る。



「瑠美さん、いいですから」



瑠美さんがきっと、罪悪感でいっぱいになってるはずだと、俺は先に告げる。



「そんなわけにいかないよ!ごめんね、陽くん」


「仕方ないっすよ。好きな人の言葉は信じちゃうもんですって」


「一生の不覚。こんな変な男好きだったなんて」


「おい、瑠美!」



瑠美さんの捨て台詞に賢晴さんが瑠美さんの腕を掴む。



「触らないでよ。誰にも悪いだなんて思ったことないくせに。本当ならあたしにも潤にも慰謝料払ってもいいくらいじゃない!」



賢晴さんの手を振り払う。



「この場はどうすんだよ。みんな待ってるじゃん」


「知らないよ。自分で説明したら?潤と陽くんは帰った方がいいよ」


「でも……」



俺たちがしたことではないにしろ、このままなにもせずに帰るのはさすがに気になる。


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