未来を見るなら、君と一緒に
「陽に愛されてる。それだけじゃダメなの?」


「愛……」



ヤスくんの言葉になんだかハッとする。



「あ、たぶんもうすぐ陽来るよ」


「え?」



今日はたしか、大学の授業が遅くまであるからって、帰ったら連絡すると言われていたはずだ。



「俺がLINEしといたから」



どこか面白そうな顔をしているヤスくん。



「なんて入れたの?」


「俺、光ちゃんと潤さん二股かけちゃおうかなーって」


「ちょっ!それ光ちゃんにバレたらどうするのよ!」


「大丈夫。光ちゃんには言ってあるから。光ちゃんも陽の恋を応援してる1人だから」



満足そうにニッコリ笑う。

でも、たかがそれだけのことで大学の授業があるのにここまで来るとは思えない。



「なんか2人で楽しんでるでしょ?」


「はは、バレた?でもさ、やっぱり2人とも幸せになって欲しいんだよ」



ポンポンっとあたしの頭を撫でる。



「……!?」



撫でられていたかと思った瞬間、グイッとなにかの力がかかったような気がして、後ろを振り向く。

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