未来を見るなら、君と一緒に
「いつからそんな強引になったんだよ」



なんて、文句を言いつつも一緒に歩く賢晴。

あぁ、もっと早くこういう風になれていたら。
未来は違ったのかもしれないって思うけど、今更もう遅い。

あたしたちはもう別の未来をみるべきなんだ。



「あたしね、たぶんずっと息苦しかった」



席について、頼んだ焼き鳥を頬張りながら、賢晴の方をみる。



「息苦しい?」


「自分の意見もいえなくて、意思もなくて。小さい頃からずっと誰かの敷いたレールを歩いてきた気がする」



大学を選んだのだって、お母さんに言われたから。
自分でなりたい職業だって決めれてない。

いまとなってはそれが夢になって、その職業についているし問題はないんだけど。

何か一つでも自分で決めれていたらこんな面倒な性格にはなってなかったのかもしれない。



「潤、お母さんにあれからあった?」


「ううん」



仕事をやめたとき、あたしのことを信じてくれなかった実家を出て、それっきりだ。、

信じてくれないのなら、ここにはもういられないと思った。

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