未来を見るなら、君と一緒に
「やっぱり結婚式っていいね」



帰り道。
うーんと伸びをしている潤。



「だな。なんか幸せな気持ちになれるよな」



あんなに酷いことをしてきた賢晴さん。
でも、潤はもう恨むこともせずに素直に祝福ができてる。

なにもなかったら、そこにいたのは潤だったかもしれないのに。

俺はたまに考える。
あのまま何もなければ、俺と潤はこうして一緒に歩くことなんかなかった。

そして、潤はちゃんと賢晴さんのことを忘れているのだろうか。
今日の結婚式をみて、あそこにいるはずだったのにとか思わせてしまってないか。
考えてしまうことがよくある。

別に潤の態度から俺のことが好きなことが伝わってこないわけじゃない。

一緒にいて幸せで楽しくて。
俺はいま、大学生の頃からずっと願ってた場所にいる。

でも、どうしてかふと考えてしまう。



「潤はさ、今日の瑠美さんみて羨ましいって思う?」


「そりゃ思うよ」


「賢晴さんの横にいるから?」



俺の発言に潤の眉がピクっと動く。

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