未来を見るなら、君と一緒に
瑠奈さんが作ってくれたあたしのボディーガード。
それが陽くんで本当によかったと心の底から思えた。

陽くんのことは前から知ってるし、信用できる気がした。



「紹介するね、ここの仲間たち」



少し陽くんと談笑をしてると、ワラワラと何人かの人達がミーティングルームに入ってきた。



「今日から働いてもらう、理学療法士の秋川潤ちゃん。あたしの高校の後輩」



瑠奈さんがあたしを紹介してくれるので、慌てて椅子から立ち上がる。



「秋川潤です。よろしくお願いします」



ぺこりと集まってくれている人達に頭を下げる。



「じゃあほかの人、時計回りに自分の名前言ってって」



瑠奈さんの話では、あたし以外は瑠奈さんの実家が経営してる老人ホームから移動してきたとかでみんな元からいる人たちのようだった。

だから、新入りはあたし一人。



「介護士の三宮千代子(さんのみや ちよこ)です。みんなには千代さんって呼ばれてます」



お母さんと同じくらいだろうか。
あたしに向かって微笑む顔は暖かみがあって、ずっとお母さんにあっていないことに胸が痛む。

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