未来を見るなら、君と一緒に
「まさか同じアパートに住んでたとはね」


「本当に。びっくりした」


帰り道。
アパートを前にして、2人でそんなことを言いながら1階の玄関をくぐる。



「潤さ、なにかあったんだよな?」


「まぁ……ね」


「詳しくは聞かないけど、俺は潤の味方だから」



そう笑って、あたしの頭にポンッと触れる。



「ありがとう……」


「何かあったら俺を頼って。俺が潤を守ってあげるよ」



真剣な表情でそう言われ、見つめ合うこと数秒。
自動ドアが開く音が聞こえて慌てて、陽くんか目をそらしてドアに目を向ける。



「……っ」


「潤、いま仕事終わったんだ?」



そうにこやかにドアから入っできたのは、賢晴だった。



「賢晴さん……」


「あれ、陽?」



名前を呼んだことで初めて陽に気づいた様子の賢晴。



「俺、潤……先輩と同じ施設にいるんです」


「へー。そうなんだ?」



ちらっとあたしの顔を見る。



「疲れてるから今日はもう家に帰るね」

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